科研費基盤研究(A):イスラーム・ジェンダー学と現代的課題に関する応用的・実践的研究

第6巻 うつりゆく家族

第6巻 うつりゆく家族

第6巻 うつりゆく家族

長沢 栄治(監修)
竹村 和朗(編著)
初版年月日 2023年3月31日
278ページ
価格 2,500円+税

ムスリムの家族は近代以降に起きた社会や政治、法律の変動によって大きな影響を受けてきた。では個々の文脈のなかで、それはいかに経験され、議論され、改変され、つくりかえられてきたのか。身近に存在するが捉えがたい「家族」という課題に挑む画期的論集。

【目次】
「イスラーム・ジェンダー・スタディーズ」シリーズ刊行にあたって――6『うつりゆく家族』
はじめに

第Ⅰ部 家族に含まれるもの
第1章 つねに「他人」が家にいる――オマーン移民の家族と「ハーディマ(奴隷/メイド)」[大川真由子]
 コラム1 妻の居ぬ間にもう一家族[鳥山純子]
第2章 団欒と社交のある暮らし――イエメン・サナアの事例から[大坪玲子]
 コラム2 「母乳の父親」――インドネシアにおける男性の育児参加をめぐる言説[西川慧]
第3章 家族に絡めとられる――モロッコのベルベル人母子にみる家族の捉え方[齋藤剛]

第Ⅱ部 家族に死が訪れるとき
第4章 母という家庭の中心――あるエジプト人母の姿から[鳥山純子]
第5章 上エジプト出身者の葬儀告示から考える家族のつながり[岡戸真幸]
 コラム3 家族を喪った悲しみを分かち合う――ウズベキスタンの葬儀と泣き女[今堀恵美]
第6章 妻に家の半分を遺す――エジプトの地方の町に生きたある男性の一生[竹村和朗]
 コラム4 ひとりで頑張る――イランの「家族経営」企業[岩﨑葉子]

第Ⅲ部 家族をめぐる法の論理
第7章 ムスリム家族法の近代化と宗教コミュニティ間の対立[伊藤弘子]
 コラム5 家族と国籍[伊藤弘子]
第8章 変わりゆく家族のかたち――現代イランの場合[森田豊子]
第9章 名誉殺人と二つの家族像――トルコの刑法改正が映しだすもの[村上薫]

第Ⅳ部 家族に入り込む政治
第10章 議会を牛耳った家族[鈴木恵美]
第11章 出生率低下があらわす家族のかたち――チュニジア南部タタウィーン地域の事例[岩崎えり奈]
第12章 国境を越えるパレスチナ難民の家族――市民権が意味すること[錦田愛子]
 コラム6 SNSが大好きなアラブ人と家族のつながり[錦田愛子]

編者あとがき
参考文献

*詳細はこちらをご覧ください。