科研費基盤研究(A):イスラーム・ジェンダー学と現代的課題に関する応用的・実践的研究

セミナー「病気という無言の抵抗——医療サービスへのアクセスを目的とした疾病市場への参入」

Seminar: Disease as a Form of Silent Resistance: Engaging in Disease Markets to Attain Healthcare Services
セミナー「病気という無言の抵抗——医療サービスへのアクセスを目的とした疾病市場への参入」

※For English page, please see the link
この度、医療人類学の専門家のムスタファ・アブダッラー氏を迎えて、エジプトにおける病気にまつわる抵抗運動に関するセミナーを開催します。ふるってご参加ください。

日時:2023年10月28日(土)15:00-17:00[日本時間]
場所:東京外国語大学本郷サテライト4Fセミナー室およびオンライン
   https://www.tufs.ac.jp/abouttufs/contactus/hongou.html 

講師:ムスタファ・アブダッラー氏(ベルリン自由大学)
言語:英語(質問等は日本語でも可)
お申込みはこちらから:https://forms.gle/q8S9zxirKcme486e8
*参加をご希望の方は10月26日(木)までにお申し込みください。

プログラム:
15:00 趣旨説明 後藤絵美(東京外国語大学AA研)
15:10 「病気という無言の抵抗——医療サービスへのアクセスを目的とした疾病市場への参入」 ムスタファ・アブダッラー(ベルリン自由大学)
16:10 質疑応答
司会:鳥山純子(立命館大学)

講演要旨:エジプトの医療制度は、すべての国民に公平な治療を約束するユニバーサル・アクセス・ヘルスケアの原則に基づいている。しかし、現実はその理念からは程遠いものである。全ての人々に医療へのアクセスを約束するはずだった制度は、非効率性、資源の制約、制度上の欠点に苦しみ、多くの市民が医療サービスから取り残されている。本発表では、日常的な抵抗に関するジェームズ・C・スコットの視点にヒントを得て、エジプトで出現したユニークな現象を探る。そこでは、私が「プロフェッショナル・ペイシェント」と呼ぶ特定の集団によって、病気は逆説的に、自分や家族への医療アクセスを獲得するための無言の抵抗の道具となっている。

講師紹介:
ムスタファ・アブダッラー
 専門は医療人類学。カイロ・アメリカン大学で人類学の修士、ベルリン自由大学で人類学の博士を取得。エジプトとマリをフィールドに、ジェンダー、セクシュアリティ、健康、病気、医学教育、移動、宗教に焦点を当てた研究を行っている。現在、ベルリン自由大学社会文化人類学研究所の医療人類学ユニット所属、「Productive Pathologies: Professional Patients and the Commodification of Disease in Egypt」研究プロジェクトに取り組んでいる。

共催:
科学研究費国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))ポスト・アラブの春時代における中東ムスリムのグローバル移動と社会関係の複合的再編(19KK0023)、基盤研究(A)空間・暴力・共振性から見た中東の路上抗議運動とネイション再考:アジア、米との比較(21H04387)、基盤研究(A)イスラーム・ジェンダー学と現代的課題に関する応用的・実践的研究(20H00085)