A Dialogue Between Two Middle Eastern Feminists: social changes, books, and forming feminist selves.
二人の中東出身フェミニストの対話:社会変革、本、そしてフェミニストとして生きること
2011年に中東を席巻した民主化運動の高まりは、日本でも「アラブの春」として注目を集めました。一方、あまり知られていないのが、そうした大きな社会変革以前から、中東で多様な人々による社会変革の試みが行われてきたことです。それらは政権の転覆をもたらすような政治的インパクトはもたなかったかもしれませんが、人々の生活に大小の影響を与えました。本講演会では、エジプトとモロッコで、それぞれに社会を変えようと取り組んできた二人の女性をお招きし、彼女たちにとっての社会変革、その道具としての本、さらには自らが中東でフェミニストとして生きることについてお話を伺います。
彼女たちが目指す社会とは、社会変革についての思いとは、フェミニストを名乗ることの意義とは。二人の対話を通じて、私たち一人ひとりにとっての社会変革や、フェミニストとして生きることについて考えてみたいと思います。
日時:6月29日(木) 17:30-19:30(終了しました)
会場:立命館大学衣笠キャンパス 平井嘉一郎記念図書館カンファレンスルーム
キャンパスマップ(https://www.ritsumei.ac.jp/campusmap/kinugasa/)内1番
言語:日本語・英語(逐次通訳が付きます)
◆登壇者
・ナディア・ワーセフ(エジプトの書店「ディーワーン」創業者)
・ヤスミナ・ナジ(モロッコの出版社「クルテ」&アートセンター設立者)
◆聞き手
・鳥山純子(立命館大学国際関係学部、中東ジェンダー研究者)
・後藤絵美(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、現代イスラーム研究者)
【プログラム】
17:30-18:00 活動紹介
◇二人の登壇者の活動紹介。
18:00-18:40 トークタイム
◇エジプト×モロッコでの経験をうかがいます。
18:40-19:30 質問タイム
◇皆さんからの質問やコメント、フロアを交えてのディスカッションの時間。
[登壇者紹介]
ナディア・ワーセフ(Nadia Wassef)
2002年に共同設立されたエジプト初のモダンな書店「Diwan(ディーワーン)」の創業者。1974年、エジプト・カイロ生まれ。ロンドン大学バークベック校でのクリエイティブ・ライティングの修士号、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院での人類学の修士号、カイロ・アメリカ大学での英語および比較文学の修士号の三つをもつ。ディーワーンを設立する前は、「女性器切除対策プロジェクトチーム」や「女性と記憶フォーラム」で調査やアドボカシー活動に従事していた。2014年、2015年、2016年に『中東版フォーブス』の中東で最もパワフルなアラブ女性200人に選ばれたほか、『タイム』誌などの雑誌でも取り上げられている。
ヤスミナ・ナジ(Yasmina Naji)
モロッコ・フランス人。キュレーター、出版社「クルテ(Kulte)」の創設者。1980年、モロッコ・ラバト生まれ。ソルボンヌ大学(旧パリ第4大学)の政治哲学科を卒業 道徳および政治哲学の修士号と編集顧問の修士号。2013年、モロッコにて出版社「クルテKulte)」を設立。フェミニズム、性的少数者問題、人種問題などマイノリティを扱った書籍をアラビア語、フランス語、英語などで出版している。アートセンター「Kulte Center for Contemporary Art & Editions」も同時に運営しており、Kulte は現在、北アフリカで最も意欲的な出版社およびアートセンターの1つとして認識されている。
[コーディネーター]
・鳥山純子(立命館大学国際関係学部)
・後藤絵美(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
・立命館大学国際言語文化研究所 重点プロジェクトA2 ジェンダー研究会
[共催]
・立命館大学中東・イスラーム研究センター(CMEIS)
・立命館大学国際言語文化研究所 重点プロジェクトA2 ジェンダー研究会
・科研費基盤研究(A)イスラーム・ジェンダー学と現代的課題に関する応用的・実践的研究(代表:長沢栄治・東京外国語大学)