科研費基盤研究(A):イスラーム・ジェンダー学と現代的課題に関する応用的・実践的研究

IG科研主催 若手研究報告会「故郷」を問うとは何か―タタール移民へのインタビューと調査者のポジショナリティ

イスラーム・ジェンダー学科研主催 若手研究報告会
「故郷」を問うとは何か―タタール移民へのインタビューと調査者のポジショナリティ

・日時:2023年3月7日(火)17:00-19:00
・場所:東京外国語大学本郷サテライト 4階セミナールーム(Zoomハイブリッド開催)
・報告者:沼田彩誉子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所ジュニア・フェロー)
・コメンテーター:池田緑先生(大妻女子大学)

要旨:
ホスト社会のマジョリティである調査者が、中立の立場から移民の故郷を問うことは可能なのか。本報告では、1917年のロシア革命後にヴォルガ・ウラル地域から旧満洲、朝鮮半島、日本へと渡った人びととその子孫であるタタール移民に着目する。なかでも、20世紀前半に避難先で生まれた第二世代の語りには、日本への「懐かしさ」が見て取れる。同時に彼らの経験には、日本の植民地支配や排他的な国籍制度が分かち難く結びついていることを無視できない。したがって、「日本人」である報告者が故郷を問うこと自体の権力性を射程に捉える必要があるだろう。本報告では、タタール移民の語りを、インタビューを行った報告者のポジショナリティをふまえて分析することで、故郷を問うという行為そのものに目を向けたい。

参考文献:
池田緑(2016)「ポジショナリティ・ポリティクス序説」『法學研究 : 法律・政治・社会』89 (2), 317-341.
伊豫谷登士翁(2007)「方法としての移民―移動から場をとらえる」伊豫谷登士翁編『移動から場所を問う―現代移民研究の課題』有信堂, 3-23.

【プログラム】
司会:小野仁美(東京大学)

報告(17:05-18:00)
 報告者:沼田彩誉子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所ジュニア・フェロー)

コメント(18:00-18:10)
 コメンテーター:池田緑先生(大妻女子大学)

質疑応答(18:10-18:40)

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[主催]
科研費基盤研究(A)「イスラーム・ジェンダー学と現代的課題に関する応用的・実践的研究」(代表:長沢栄治)

[お問い合わせ先]
イスラーム・ジェンダー学科研事務局 office★islam-gender.jp
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