科研費基盤研究(A):イスラーム・ジェンダー学と現代的課題に関する応用的・実践的研究

本科研研究分担者の小野仁美氏が「2020年度 第15回女性史学賞」を受賞

本科研研究分担者の小野仁美氏が、奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター「2020年度 第15回女性史学賞」を受賞しました。
本賞は、文化勲章受章者の脇田晴子氏が女性史研究の発展を願って創設した「女性史学賞」を、2017年度より「奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター女性史学賞」として継承したものです。

受賞作:『イスラーム法の子ども観――ジェンダーの視点でみる子育てと家族』(2019、慶應義塾大学出版会)

書籍詳細(慶応義塾大学出版会のページへ)

【2020/12/9更新】2020年度 第15回女性史学賞 授賞式

【目次】
 序論
1 法学書を子ども観から読み解く――本書の目的
2 本書の特徴と意義
3 イスラーム法学書の歴史と概要

 第一章 人間の成長段階と法的能力
1 イスラーム法における子どもの概念
2 身体的成熟と法的能力の変化
3 弁識能力という指標
4 未成年者としての「子ども」と法的能力

 第二章 父の権限と子への義務 
1 実子の確定
2 子の宗教と新生児儀礼
3 父子相互の権利と義務
4 父は子に対して絶対の権限をもつのか
5 父という存在の考察

 第三章 母の役割と「子の利益」
1 母の授乳は義務なのか
2 乳母の雇用をめぐる問題
3 監護をめぐる母の権利と子の権利
4 「子の利益」を守るという価値観

第四章 子どもへのクルアーン教育
1 子どもへの教育を示す言葉
2 クルアーン教師の雇用規定
3 マーリク派法学者による教育専門書
4 マーリク派法学者の教育論
5 ムスリム社会の担い手としての子どもたち

結論――イスラーム法の子ども観が映すもの

 あとがき
 注
 参考文献
 索引