科研費基盤研究(A):イスラーム・ジェンダー学と現代的課題に関する応用的・実践的研究

2021年度日本中東学会公開講演会「中東の都市探訪――歴史と文学から」

2021年度日本中東学会公開講演会「中東の都市探訪――歴史と文学から」

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 世界的に猛威をふるうコロナ禍の中、出かけられない日々が続いています。こうした時期には、歴史書を繙き、あるいは文学の世界に入る中で、旅に出るという楽しみが、より貴重に感じられます。本講演会では、カイロ、バグダード、イスタンブル、テヘラン、エルサレムについて、その街並みや、起こった事件や出来事、人間模様について歴史学や文学の専門家ならではの視点からお話しいただきます。過去と現在、空想と現実を行き来しつつ、中東の都市探訪を楽しんでいただければ幸いです。

【開催概要】
日時:2021年11月13日(土)14:00~16:45(終了しました)
会場:オンライン開催(Zoomウェビナー)

【プログラム】
司会:後藤 絵美(東京外国語大学AA研)
14:00-14:10 開会の言葉 粕谷 元 (日本大学)
14:10-14:35 熊倉 和歌子(東京外国語大学AA研)「 寄進がつなぐ都市とひと̶̶中世カイロの歴史建造物を歩く」
14:35-15:00 柳谷 あゆみ((公財)東洋文庫)「 『バグダードのフランケンシュタイン』のバグダード」
15:00-15:25 澤井 一彰(関西大学)「 西から東から̶̶「多文化共生」の都市イスタンブル」
15:25-15:30 休憩
15:30-15:55 藤元 優子(大阪大学)「 望郷̶̶小説に見る変わりゆくテヘラン」
15:55-16:20 臼杵 陽(日本女子大学)「 聖地エルサレムの春祭り̶̶預言者モーセ廟を巡って」
16:20-16:35 質疑応答
16:35-16:45 閉会の言葉 保坂 修司 (日本エネルギー経済研究所、日本中東学会会長)

【主催】
日本中東学会

【後援】
科研費基盤研究(A)イスラーム・ジェンダー学の構築のための基礎的総合的研究(代表:長沢栄治, 20H00085)

 

登壇者プロフィール ※登壇順

◇熊倉 和歌子 Kumakura Wakako
 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教。専門は、中近世エジプト史。2019年度より共同研究プロジェクトとしてQalawun VR Projectを開始、カラーウーン病院(13世紀末創建)のVRツアーを制作、公開している( https://qalawun.aa-ken.jp )。主著に『中世エジプトの土地制度とナイル灌漑』。

◇柳谷 あゆみ Yanagiya Ayumi
 (公財)東洋文庫研究員・上智大学アジア文化研究所共同研究員。専門はザンギー朝の政治史。現代アラブ文学の翻訳も手掛ける。主な訳書にアフマド・サアダーウィー著『バグダードのフランケンシュタイン』、ザカリーヤー・ターミル著『酸っぱいブドウ/はりねずみ』、サマル・ヤズベク著『無の国の門 引き裂かれた祖国シリアへの旅』。

◇澤井 一彰 Sawai Kazuaki
 関西大学文学部(文化共生学専修)教授。専門はオスマン朝、とりわけイスタンブルの社会経済史、比較食文化史研究。著書として『オスマン朝の食糧危機と穀物供給――16世紀後半の東地中海世界』、共著に『別冊環トルコとは何か』、『環境に挑む歴史学』、『地中海世界の中世史』など。

◇藤元 優子 Fujimoto Yuko
 大阪大学言語文化研究科教授。専門分野はイラン現代文学、主に女性作家の小説を扱ってきた。訳書に、『天空の家――イラン女性作家選』(段々社、2014年)、『ゾヤ・ピールザード選集復活祭前日』(大同生命国際文化基金、2019年)。

◇臼杵 陽 Usuki Akira
 日本女子大学文学部史学科教授、同大学図書館長。専門はパレスチナ/イスラエル近現代史、日本・中東関係史。主著に『日本人にとってエルサレムとは何かー聖地巡礼の近現代史』(ミネルヴァ書房)、『「中東」の世界史』『「ユダヤ」の世界史』(作品社)、『世界史の中のパレスチナ問題』(講談社現代新書)、『イスラエル』(岩波新書)など。