「開発とトランスナショナルな社会運動」第9回
- 日時: 2018年11月4日(日) 14:00~17:30
- 場所:東京大学 東洋文化研究所 3階 第一会議室
- プログラム・開催報告
14:00~15:00 |
報告者: 伊香祝子(慶応義塾大学ほか非常勤講師) 題 目: “Ni una menos”―SNS発、アルゼンチンの女性運動 要 旨: アルゼンチンでは2015年の5月に起こった殺人事件をきっかけに、#niunamenos(だれひとり欠けさせない)というハッシュタグを使ってSNSで呼びかける女性への暴力に反対する運動が活発化し、2018年の中絶合法化法案支持の拡大にもつながった。本報告では、#niunamenosやその他のハッシュタグを追いながら、この運動のアルゼンチンの女性運動全体のなかでの位置づけ、その他のスペイン/ラテン語圏へのトランスナショナルなひろがりなどを紹介する。また下院での中絶合法化法案の廃案後の運動の展開などについて、最近の情報も補足していきたい。 開催報告:アルゼンチンでは家庭内暴力などの女性に対する暴力への法整備が1995年ごろより行われ始めたが、女性を対象とした殺人が減らないことに対して、2015年の6月に20万人規模の集会(ブエノスアイレスだけで)が開催された。このときのスローガンが“Ni una menos”(ひとりの女性も欠けさせない)である。 ![]() |
15:00~15:30 | 質疑応答 |
15:30~15:45 | コーヒーブレイク |
15:45~16:45 |
報告者: 西直美(同志社大学特別任用助手) 題 目: 越境するタイ深南部マレー系ムスリム女性と帰属意識 要 旨: タイ南部国境県(以下、深南部)では、タイからの分離独立運動が断続的に続いている。深南部のマレー系ムスリムは、宗教、言語、慣習など多くの点で隣国マレーシアのマレー系ムスリムと共通点をもち、日常的な越境が行われている。本発表では、タイ深南部からマレーシアに越境する深南部出身女性の経験を通して、国家、宗教との関係や帰属意識ついて検討してみたい。 開催報告:タイ深南部のマレー系ムスリム(ナーユー)は、宗教、言語、慣習など多くの点を隣国マレーシアのマレー系ムスリムと共有しており、古くから相互交流の歴史がある。本発表は、マレーシアにおけるナーユー女性のライフヒストリーを通して、国家、宗教、民族と帰属意識との関係を考察することを試みたものである。 ![]() |
16:45~17:30 | 質疑応答 + 全体討論 |
18:00~ | 懇親会(場所は調整中、予算3000円程度) |